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2026年、金相場はどうなる?価格を左右する3つの巨大要因と“逆転の有事”

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2026年、金相場はどうなる?価格を左右する3つの巨大要因と“逆転の有事”

2026年1月、歴史的高値を更新した金相場。「もう高すぎて買えない」「いや、まだ上がる」「そろそろ下がるのでは?」意見はさまざまです。未来の価格を正確に推測することは難しいですが、価格を動かす力学を知ることはできます。米国の金利動向、中央銀行による爆買い、そして地政学リスク。これから金投資を始める人が注視すべき3つの羅針盤をわかりやすく解説します。

イラン攻撃で「金利上昇・金下落」…なぜいまの金相場が注目を集めているのか

今回のイラン攻撃のようなケースでは、通常「有事の金」として金価格は上昇する傾向にあります。しかし現在(2026年3月中旬)、金価格は続落しています。武力衝突が現実化した瞬間、市場は株式や債券だけでなく、「金すら売って現金(ドル)を確保する動き」に転じました。つまり、「有事の金」よりも “有事のドル” が優先されたのです。この「流動性への逃避」が金を押し下げました。

金相場を語るうえで欠かせないのが「金利」です。市場は今回の原油高を受けて、「原油高 → インフレ再燃 → FRBは利下げできない → 金利は高止まり」と予測されました。投資家がドルを最優先した結果、米国債が売られ、金利はさらに上昇。金利上昇は金にとって極めて強い逆風であり、金価格を下押しする要因となりました。

しかし歴史的にみると、金利上昇で金が売られる局面は、長期投資家にとって絶好の押し目(安く買うチャンス)となることが少なくありません。その理由は次の3つです。

1.地政学リスクは継続している

イラン情勢は収束の見通しが立っておらず、安全資産としての金需要はむしろ強まっています。

2.中央銀行の金買いは止まらない

特に中国・新興国は、ドル依存を減らすために金を買い続けています。この“構造的需要”は金価格の下支えになります。

3.金利上昇は永続しない

インフレが落ち着けば、FRBはいずれ利下げに転じます。利下げ局面は金にとって極めて強い追い風です。

今回の事態は「金利上昇・ドル高・金下落」という“逆転の有事”を生み出しました。しかし、長期的な潮流は変わっていません。短期的な下落に惑わされず、金利上昇で金価格が下落しているいまこそ、長期的な視点で資産を見直す局面といえるでしょう。

【中国・新興国】世界の中央銀行がドルを捨てて金を買い集める理由

近年、金を大量に購入している中央銀行のトップは、過去5年間でみると中国、ポーランド、インドなどです。また、ロシア、ベラルーシ、キルギス、ウズベキスタン、カザフスタンといった西側諸国と地政学的に距離を置く国々においても、外貨準備に占める金の比率が急増しています。

ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)の調査によると、2025年には回答した中央銀行の95%が「世界全体で金準備はさらに増える」と予想しており、43%が「自国でも金を増やす」と答えています。これは、金購入が一時的な流行ではなく、世界の中央銀行が共有する長期的な戦略になっていることを示しているといえるでしょう。

世界の中央銀行が金を買い集める理由は、リスク分散と安全資産確保、そして米ドルへの過度な依存から脱却する動きの一環です。米ドルは基軸通貨ですが、為替変動や米国の金融政策によって価値が揺らぎます。特に2022年のロシアに対する経済制裁で米ドルやユーロの外貨準備が凍結された際には、「紙の資産は他国の都合で無価値になる可能性がある」という強烈な警鐘を鳴らしました。各国に米ドルへの偏重を減らす必要性を意識させるきっかけとなったのです。

「金を掘るコスト」の高騰

金の採掘コストが年々上昇傾向にあることも、価格を支える重要なファクターです。現在、採掘しやすい金鉱石はほとんど掘り尽くされました。そのため、新たに金を得るには地下深くへと掘り進める必要があり、これには莫大なコストがかかります。

より深く掘るためには、大掛かりな設備投資や地熱対策などが欠かせません。つまり、新しく金を供給するための「原価」そのものが跳ね上がっているため、金価格が一定の水準より下がりにくい構造的な理由となっているわけです。

短期の上下に惑わされず、長期トレンドの大波に乗る

米国・イスラエルによるイランへの軍事行動は、原油価格の急騰を招いています。封鎖が長期化すれば、ガソリン価格や電気代、物流費などあらゆるものの値上げに繋がり、世界的にインフレが加速する恐れがあります。

こうしたインフレ局面において、金は「紙幣の価値が下がるなかで購買力を維持しやすい実物資産(インフレヘッジ)」としての役割を発揮します。また、地政学リスクの高まりは株式市場に下落圧力をもたらすため、「リスク回避」の避難先としても選ばれやすいのです。

これから金投資を検討するにあたっては、以下の基本戦略を押さえておきましょう。

1.長期・分散投資を基本に

◎長期保有
金は短期的な価格変動があるため、基本的には長期保有が望ましいとされています。時間を味方につけることで、短期間の変動が平均化され、安定したリターンが期待できるからです。

◎分散投資
投資の基本は、さまざまな資産に分散して投資することです。金は株式や債券と異なる値動きをすることが多いため、ポートフォリオに組み入れることで、資産全体のリスクを和らげる効果が得られます。

2.購入タイミングの分散

一度にまとめて購入するのではなく、購入時期を複数回にわける手法が有効です。毎月一定額を購入し続ける「ドルコスト平均法」を活用すれば、高値でつかむリスクを低減できます。価格が下がったときに多く購入し、上がったときに少なく購入することで、平均購入単価を抑えることができるからです。

金価格は短期的には上下を繰り返しますが、「金利の動向」「地政学リスク」「中央銀行の需要」という大きな潮流は簡単には変わりません。目先の値動きに振り回されず、長期的な視点で資産の一部を金に振り向けることが、これからの不確実な時代を乗り切る鍵となるでしょう。

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